2020年1月4日(土)

▼静かな元日の夜、津市郊外の住宅団地に響く車のエンジン音。テールランプに浮かび上がる大小2つのシルエットが、車が角を曲がるまで手を振っていた。万事スピードの世の中。実家に帰った息子一家がもうUターンか。早いものだと、シルエットを思ったが、当たっているかどうか

▼三が日は穏やかな天候に恵まれた。除夜の鐘の終わるころいつもの神社に初詣。帰宅後雑煮を10個食べて眠り、昼過ぎに目覚めた。毎年の我が正月だが、胸焼けした。確実に体は衰えている

▼どんと焼きの小正月(15日)、いつもの神社はかがり火をたかないそうだ。三が日は燃やすが、あとは8日だけ。7日以降仕事始めが多い会社対応という。「今はおさい銭もスマホでという時代。情緒もなんもあったもんじゃない」と火守りのお年寄りが言った

▼「何でもスマホだ。キャッシュレスだとかポイント還元とか、さっぱり分からん。覚える気もしない。還元してほしいとも思わん」。我が意を得たが「6月までなんだろう」とも。ポイント還元対象期間はちゃんと覚えているようだから一筋縄ではいかない

▼年賀状をメールに変え、ご無沙汰の親戚知人にはほとんどあいさつなしだから人のことは言えない。「大みそかは妻の実家へ、元旦は夫の実家へ回礼し、愛想笑いに疲れて2人ともぐったり」と、友人からメールが届いた

▼親の存命中は年2回、3泊ほど訪れていたものだ。親子の情も変わったと苦笑いしたが、思えばそれは自分の実家で妻の方は訪れた覚えがない。時代は悪い方に動いているばかりではないのかもしれない。