2019年11月23日(土)

▼形式的な資料や一部の口述に対する自らの決裁を不要とするよう鈴木英敬知事が指示したという。若手・中堅職員らが「スマート改革」の検討状況を県幹部らに報告した会議で総務部長が紹介した。センシティブな話は別ということでもあろう

▼それにしても、奇っ怪な会議である。写真で見る限り、報告する若手・中堅職員が幹部らの背中に向かって話している。テーブルの配置の関係で向き合っている幹部もいるのだろうが、半分以上は後ろ向きですよと言っていることを会議のスタイルで表しているつもりかもしれない

▼手続きが時に公平・公正を担保するのが民主政治だから、会議の様式、スタイルも軽々しく扱っていいものでもない。会議はこの日、AI(人工知能)などの最新技術を使って業務効率化を図る「スマート自治体」を目指す「三重スマート改革宣言」(仮称)を取りまとめる段取り。若手職員らの検討チームとはいえ、報告を聞く以上、聞く姿勢を形の上できちんと示すことは、民間ならごく当たり前のことだろう

▼「提言をつくるより、まず実行すべき」という報告は、方針先行、実行後追いの県政の批判に聞こえなくもない。政策を考えたいが「内向きの仕事」で時間がないというのは、不祥事の再発防止に神経をとがらせる実情の反映か

▼政策会議では幹部職員にタブレット端末を配布した。北川県政でのパソコン配布を思わせるが「紙よりも便利だと思う。早く使いこなせるように頑張りたい」と出席者。「若いのが使えばいい」と放置した北川県政の幹部とは大違い

▼職員気質も変わった。