2019年11月10日(日)

▼建設残土の三重県内搬入を阻止する県土砂条例ができると思ったら、建設廃材などの産業廃棄物を規制する条例を緩和するという。何だか、おちょくられている気がしないか

▼産廃発生は当然という産業活動優先の時代に成立したザル法と言われた産廃法で住民がどれだけ苦しんだか。県でも規制を求める議会と言を左右する執行部との長年のやりとりの中で、産廃法が改正され、産廃条例が制定されてきた

▼施行10年の見直し期になり、国は優良処理業者を認定する法改正をした。だから県も、処分場の実地検査だけでなく書面審査も取り入れ、5分の4の住民合意規定を集団合意に変更しようというのだ。住民説明会の2度開催を義務づけることで住民の安心安全は確保できるというのだから、既存法規で土砂搬入規制は可能と言い続けてきた楽天的な性格は変わりない

▼ゴルフ場のホール規制を解除して業者が殺到。慌てて再規制して訴訟になったり、風力や太陽光発電を奨励し過ぎて住民との摩擦が激化したり。先の集中豪雨では山林を開発して敷設した太陽光施設がごっそり流されたともいう。起こるべくして起きた失政だろう

▼県の産廃行政は産廃業者を規制する産廃条例・要綱と、逆にその金で循環型社会を目指す産廃税の2本立て。税収のためなら何でもやろうという最近の風潮が業者と共存共栄しようという背景にあるのかもしれない

▼県の諮問機関、環境審議会産廃条例部会は「土地利用の可否判断する権利を周辺住民に与えることにつながる」と、住民合意否定の意見が相次いだ。開発部会のようではある。