2019年11月9日(土)

▼県職員の賞与の引き上げ方針を発表した翌日、知事や副知事ら特別職の期末手当も引き上げることが明らかになった。前日まとめて発表しなかったのは、消費増税で県民が苦しむ中で、県が暖かい正月を迎える体制が整ったことに気が差したか。めでたきかな、めでたきかな

▼期末手当が「従来から国の特別職を参考に決めて」(人事課)いたとは寡聞にして知らなかった。一般職は「ボーナス」で、特別職らは「期末手当」と呼ぶことにからくりでもあるか。賞与を含む給与なら特別職は県特別職報酬等審議会に諮問する必要が条例で定められている。手当は該当しないという解釈なのだろう

▼人勧も特別職報酬審答申も形だけで、実質は自動的に賃上げする仕組みというのは世間の見方だが、期末手当は、そんな形式も取っ払い、国の特別職を参考にする裁量だけの仕組みを採用しているのだろう。国と地方が「お手盛りで懐を肥やしている」ように見えるが、県がいいとこ取りをしているだけか。国と都道府県の職員給与を比較するラスパイレス指数が上位10位以内の常連であることの遠因かもしれない

▼鈴木英敬知事は賞与引き上げに伴う予算増について財政健全化への着実な成果で引き当てることができる自信を示唆した。自分らの期末手当引き上げについては何とコメントするか。財政悪化の時は職員給与を実質減額する手法を打ち出し、反発した県職労に今回限りを約束させられた

▼健全化の兆しで何はともあれ職員の慰労を最優先したか。総人件費2割削減や自身の給与、ボーナスカットしたころが懐かしい。