2019年11月7日(木)

▼「嫌がらせや妨害行為を繰り返し犯行は極めて悪質」というのが検察の論告である。あおり運転で県初の実刑判決になるか、津地裁の公判経過だ

▼亀山市の名阪国道で、大型トラックを運転する58歳が、車線変更を繰り返し後続車の進路を妨害。窓から手を振って追い越すように促した上で、追い抜きをかけた車に幅寄せし衝突。相手にけがを負わせ逃走したというもの。が、被告人質問でのトラック運転手の言い分は違う

▼あおり運転をしたのは、後続車に「あおられていると思った」からで、手を振ったのは「やめてほしい」の合図。逃走したのは「気が動転し、頭が真っ白になった」ためというのだ。幅寄せして衝突させたことを認めていなければ水掛け論になりかねない

▼実際、あおり運転の証明は難しい。警察官の現認がなければ罪に問えなかったと警察協議会でいなべ署長が言う。ドライブレコーダーが登場して立件できるようになったものの「罰則の明確な基準がないため、車間距離や時間帯等慎重に判断する必要がある」

▼志摩市での事案ではあおり運転も逮捕理由にありながら、不起訴処分になった。桑名市の場合は未定。今回も、周辺走行車のドライブレコーダーを分析して起訴に持ち込んだ

▼県警高速隊によると昨年9月末現在のあおり運転通報は488件。一般道の数字はない。取り締まりは強化しているというが、問題があるからか、取り締まりができるようになったからか。自衛しかないと、高速を走ることなどない知人もドライブレコーダーを購入した。制度強化も合わせて願いたい。