2019年9月27日(金)

▼県卸売市場条例改正案を問われ前田茂樹農林水産部長は県議会で「法改正で卸売市場の開設が許可制から認定制に変わるため許可基準などの規定を削除する」

▼「各号のいずれかに該当するときは許可をしてはならない」と、許可基準は原則不許可。資力信用、事業計画の適不適、既存市場との距離などが審議され、認可されることない。全文削除は、県の卸売市場施策の根本的転換と言えないか

▼県卸売市場条例はまた、平成24年改正で、中央卸売市場から地方卸売市場への転換に知事の許可が必要だと明記している。県中央卸売市場はその3年前に地方卸売市場に変更しているから、現状と合わぬ条例でもあった

▼変更は時期尚早の見方もあったのか。何しろ県は全国一律の整備を促す国の意向に基づき、南北に長い県の特性も顧みず中央卸売市場設立に突き進み、あげく入場に同意しない地方市場を切り捨てて昭和56年開場した

▼運営は困難を極めたが、県は一因を入場しなかった残存市場のせいにし、実質廃業を目指した。時代はしかし、市場外流通増加へ。県は地方市場転換とともに指定管理者制度を導入。この6月、現状と将来を議会で問われ、厳しい現実にほおかむりした答弁をし、指摘された問題点は各種審議会でゆるゆる協議していると述べた

▼認定制で、市場関係者の思いとは裏腹に、関与を薄めたい県の思いの方へ運んでいるかに見える。国の指導に忠実に突っ走った結果どうなったか。RDF(ごみ固形燃料)と別の意味で一度総括を提案したいが、切りがなくなると言われるかもしれない。