2019年5月31日(金)

▼亀山市能褒野町の市立川崎小学校で校長はじめ教諭、PTAらが児童の登校を見守った。川崎市多摩区の児童らの殺傷事件を受け、全国の学校、地域で見られた光景なのではないか。「人ごととは思えない」(中根直人PTA会長)という危機感が駆り立てるのだろう

▼児童8人が無差別に刺殺された平成13年の大阪教育大学附属池田小事件を思い出した人も多いのではないか。相模原障害者施設殺傷事件との類似性を感じた人もいるに違いない。いずれも本人の断片的言葉が伝えられただけで真相は闇の中。対策もおざなりで幕引きされた感が強い。「難しい社会になってきている」(同)という不安は保護者に高まっていよう

▼父親としての鈴木英敬知事はどうか。「怒りを覚える」とぶら下がり会見で語ったが、危機感、不安とはまた別の感情だろう。「子どもたちの命を守り切らないといけない」という決意と「全容が解明される状況を見ながら対策を検討」「やれることは何なのか情報収集」の対応は、相矛盾する気がする

▼大津市の保育園児らの惨事を受けた対応では「行政として」と前置きした。今こそ行政にとどまらず「県民運動」を提唱してもいいのではないか。刺殺、交通事故に限らず「子どもの安全・安心県民運動」である。先頭に立つことに期待した先の知事選の大量得票でもあろう

▼前参院選での自民候補応援、自民視察団への参加など、選挙前は「政治家として」の立場を強調した。選挙後は、残土搬入問題など行政としての立場を強調する。今こそ県のリーダー政治家鈴木英敬の出番である。