2019年2月21日(木)

▼県のアンケート調査で「近所の子どもに注意やあいさつをしない大人が増えている」。あいさつなどしたことない一人としては恐縮至極

▼津市郊外の住宅団地に長年暮らし、ご多分に漏れずかつて笑顔を交わした娘の友人はじめ、近くに子どもがいなくなった。見ず知らずの人間に、大人だろうが子どもだろうがあいさつする愛きょうの持ち合わせはない。子どもの方も時節柄気味悪がらないか

▼数年前近くの中学校であいさつ運動を始めたらしい。下校時は最悪で、ぞろぞろと次から次へとあいさつされ、げんなりした。最近は下火になってほっとした。中心地の中学校にそんな運動は見られないのは通行人も多く、いちいちあいさつしていられないからだろう。お互いさまである

▼あいさつすることもある。人けのない夜道で一人歩きの女子生徒からあいさつされた時だ。気を付けてという思いと、何かあったら声を出してという願いを込めて、できるだけはっきりあいさつを返す。見知らぬ男にあいさつするより、警戒心あらわに駆け出せばよいのにと思ったりする

▼「不審者を見たら連絡を」などの張り紙を見かける。不審者はドラマのように怪しげな言動をしているわけではなく、油断しても仕方ない人物からの被害も少なくない。暗がりの街灯設置や危険箇所の洗い出しと接近注意の方が効果的に違いない

▼顔見知りなのにあいさつしない大人はいるのかどうか。増えているなら「大人が子どもにアプローチできる環境づくり」(鈴木英敬知事)というより、崩壊した感がある地域社会づくりの方が先の気がする。