2019年2月5日(火)

▼本紙企画『まる見えリポート』の「使われないパソコン」で、県ではかつて不要品購入が話題になっていたころを思い出した。予算を使い切るためにガーゼなど、備品を何年分も買い込んだりしていたが、少しは改善されたということか

▼県土整備部営繕課が「MIE職員力アワード」に応募した「公用車を確実に取得する方法」も職員気質を反映していておもしろい。争奪戦の公用車を確保するため、2台ずつ予約して必要ない分を課内で自由に乗り回すというアイデアらしい。ユーモア大賞でないのが惜しい

▼「組織ぐるみで公用車利用の留意点をすり抜けている」の指摘もあるが、同課自身は「積極的に応募するよう求められているので」。悪びれる風もないのが見事だ。例えズルをしても自分たちさえやりやすければいいじゃないか、ということだろう

▼いつぞや「預金差押えの電子化」が「職員力アワード」のグランプリに選ばれた。差し押さえ書類を1件ずつ銀行窓口に持参・郵送するのは効率が悪いので金融機関のシステムと結んで、一気に大量に差し押さえることができるようにし、大幅な効率化が図られたという。公平性と税収確保が目的。異論はないが、よくやったと拍手する気にはならない

▼アワードの狙いは県民が幸福を実感する県をめざすことと職員の意欲を高め、自ら変革していく組織風土づくり。営繕課案に、所管の行財政改革推進課は「今後の審査があるので現段階ではコメントできない」。公用車を管理する管財課は「良しあしの判断は避けたい」。組織の風土は悪くなっている気がする。