2019年1月23日(水)

▼新年度当初予算の査定で、鈴木英敬知事は「未来への希望を支える安全安心と未来を切り開く取り組みに挑戦する予算にしたい」。一方で「財政が厳しい中で、真に必要な事業に資源を集中させる」

▼「県民の不安を取り除き、暮らしや経済が良くなっていくと実感できるよう、財政が深刻な状況にあっても県の未来を切り開く取り組みに挑戦していかなければならない」と言ったのは本年度予算案を提出した昨年2月の県議会。「未来」の言葉少し増えたのは3選出馬表明したばかりだからということだろう。現実の希望や夢を語る予算は、今年も期待できそうにない

▼「真に必要な事業」が各人各様なのは言うまでもない。そうでない事業がそうあるはずもない。未来を切り開くなどの派手な施策とは真逆の地道、地味で息の長い取り組み、それこそ行政の半面の代表である〝真に必要な事業〟であるために予算を削減され続けてきたことも現実なのだ

▼この数年、マイナスと無縁だったのは伊勢志摩サミットや国体、スポーツの関連予算。「いいのはサミットばかり」「スポーツばかり」などのやっかみに似たつぶやきが、それ以外の部門から聞かれていた

▼サミットや国体など、外部に緊急課題を掲げ、それを乗り越えるために「オール三重」の結束を図るのが知事の政治手法でもあった。いわば外患解決型で、それがある程度成功して来たのは3選出馬表明の通り。その結果、内憂の方はお留守にならざるを得なかったかどうか

▼度重なる不適切事務、不祥事が同じ県政の中から生じてきているのは言うまでもない。