2018年11月2日(金)

▼監査委員の監査結果のたぐいは何が指摘されているかに注目し、何が指摘されていないかなど考えたこともなかった。県監査報告書に「データ放送中止」の記載がないという県議会の指摘は新鮮。不明を恥じる

▼議会史上でも珍しいに違いないが、追及が代表監査委員の「適格性」から「交代されたら」、果ては「罷免すべき」となるとなかなかの大ごと。オーミステイクなどと言って済まない

▼監査員は知事の妻や親兄弟はなれず、知事が免職にもできない。議会の罷免権は公聴会開催が義務づけられている。ことほどさように身分が保障されているのは何より公平・公正が求められるからだが、先の記載欠落は「データ放送企画当時の戦略企画部長」だったからではないか、という疑念が追及を厳しくさせるのだろう

▼議会の慎重論を押し戻した張本人ではあるが、北川県政以来、部長経験者の代表監査委員が続く。現役時代に関与した事業は別の監査委員に担当させる慣例だからいいが、前任者は総務部長OB。不適格者の指摘もその筋にはある

▼現代表監査委員も、部長級の地域支援担当理事を皮切りに生活・文化、健康福祉、戦略企画の3部長を歴任して3年の外郭団体勤めの後、昨年4月就任。こだわりなく監査できる部門はかなり制約される。適格性を問われてもおかしくはない

▼あるいは「意見は4人の合議」と答弁したからか。監査委員は合議制でなく、委員一人一人の独任制。だから監査委員会とは言わない。問題答弁として「適格性」が問われたか。記載欠落とは別に監査委員の適格性は再考していい。