2018年9月15日(土)

▼県議会の議員定数を45に復する条例案が否決の公算だからということだろう。採決前日になって現行51との折衷案の48案が浮上して消えていたことが明らかになった。計画したのは、45案を議会に提出した一人でもある津田健児議員で、頓挫に伴い、所属する会派を離脱した。余震か本震への前触れか、定数条例を巡るごたごたは治まる気配がない。波紋は広がりつつあるようだ

▼45案が無理なら「別の合意点を探るべき」が折衷案提案の理由として津田議員は「県議会は皆が自分のことだけを考えているのではと情けなく思う」。水谷隆会派団長は「団長に一任されたはず。(一任の)翌日も街頭演説で一緒に条例案への賛同を訴えていたのに」。純化路線の議員が飛び出した形に見えて、主張は多数派がより困難な原則を維持しているのだから、政治家の行動ははたからは分かりづらい

▼「サルは木から落ちてもサルだが、議員は選挙に落ちたらただの人」は自民党副総裁など務めた大野伴睦の名言。半面「政治家は次の時代を考え、政治屋は次の選挙を考える」とも言われる。正解はない。その中で何を考えて、どう行動するかで、政治家の真価は問われる

▼否決の公算濃厚だが、可否同数も否定できないという情勢の中で前回採決同様、今回も議長が最終判断を担う可能性が少なくなかったが、前田剛志議長は本紙取材に「今のところ判断を決めかねている。一晩じっくり考えたい」。煙に巻いたか。議案提出から2カ月。浮足だっているわけ心ではあるまい

▼政治家の真価を発揮する場面は一様ではない。