2018年7月22日(日)

▼「大変だ。いつになっても死ねなくなった」というのは、平均寿命がどんどん延びていたころの冗談である。昭和22年は男性50.06歳、女性53.96歳だったが、同25年はそれぞれ58.0、61.5歳となり、同35年は65.32、70.19歳、同45年は69.31、74.66歳

▼昭和22年40歳だった男性はあと10年で寿命を終えると思っていたのに、50歳になっても60歳になっても、一向平均寿命との差が縮まらないという冗談なのだが、平均寿命は実はゼロ歳児の平均余命を示す数字で、年齢ごとの平均余命はそれぞれ異なるという仕組みを説明されても、どんどん延びていることには違いはない

▼昭和22年の40歳男性の平均余命は26.88歳で、平成22年のそれは40.81歳だ。75歳、90歳の平均余命も6歳、2歳から11歳、4歳へと、横ばいながらほぼ延び続けている。高齢化社会が進行しているということである

▼昨年の平均寿命が厚生労働省の調査で分かった。男81.09歳、女は87.26歳。各6年連続、5年連続、ともに過去最高を更新している。女性が男性を常に上回っているのは生活習慣病や事故の遭遇率などの違いもあるが、胎児を守る母体の機能が二義的に長寿を支えているともいわれる。医療・介護に頼らずに生活できる期間の健康寿命と平均寿命との差すなわち不健康な期間は男性9.13年に対し女性12.68年(平成22年厚労省調査)

▼花の命は短くて苦しきことのみ多かりき―は林芙美子だけでないようだ。