2018年7月7日(土)

▼「役人が恣意的に支援対象を決め、理事長が入試に介入していたのであれば、どちらもとんでもない大問題だ」―医療過誤問題や生体肝移植手術を受けた患者の多く亡くなっているのに全国平均だと患者に説明するなどの不祥事で、東京医科大の第三者委員会委員長を務めた郷原信郎弁護士が語っている

▼国の支援事業と見返りに息子を合格させてもらっていたとされる文部科学省元局長の問題である。1年以上続くモリカケ問題の核心の疑惑がまさにそれで、ならされてしまったか、またかとは思っても、世の中に普通に横行していることのような錯覚に襲われる。東京医科大は診療報酬不正請求問題、研究費の不正請求、学位謝礼問題なども重なった。天下り問題で揺れたばかりの監督官庁があり、この大学あり、という気がしてくる

▼〝伏魔殿〟ではある。男女共同参画社会への国の奨励で、大学も女性教授の登用が求められ「学力が同等であれば女性を選別」を内規とする大学が相次いだ。独立行政法人の国立大学機構や国立高専機構などの模範例を踏襲している

▼男女での不平等採用を戒める厚生労働省の指針とは違う。三重労働局にそう言ったら「指摘が本当なら問題」。どこかと聞かれて高等教育機関だと言うと「学校ですか」と明らかに腰が引けた。「文科省の管轄ですので」

▼文科省では電話を3カ所ほど回されたあげく「うちに回ってきたということは、お答えできる担当がないということです」と言われた。安倍晋三首相でもなければこの岩盤は砕けない気はする。手口が似てくるのは、お粗末として。