2018年6月20日(水)

▼携帯電話でアラームが鳴るとほとんど同時に津市の我が家で激しい揺れに襲われた。23年前の阪神大震災の記憶がまざまざとよみがえった。震度3という。立っていられなかったその時に比べると少し弱くはあったが、余震があるか、本震が続くか、どう動こうか。しばらく心臓の高鳴りは鎮まらなかった

▼車で通勤中だった知人は「揺れははっきり分かった。怖かった」と話していた。県内では四日市市が最大の震度4。隣の鈴鹿市で、屋外階段を降りる途中だった63歳の女性が揺れに気づいて飛び降りたのもよく分かる。左膝下骨折の重傷。名張市でも自宅階段から転落し、32歳の男性が後頭部を打つけがをしている

▼熊本地震は余震2日後に油断を見透かすように本震が来て被害を拡大させた。鈴木英敬知事も緊急会見で、備えを呼びかけている

▼津市の前葉泰幸市長が通学路の危険箇所を点検するとしたのは高槻市の小4女児が登校中に倒れてきたブロック塀の下敷きになって死亡したことを受けたものだが、問題のブロック塀は高槻市教委が建築基準法違反であることを認めている。他山の石であり、人ごとではないと危機感を募らせたのではないか

▼プールを通りから見られないようにするため、津市の小学校でもブロック塀を既存の壁の上に継ぎ足している。塀の横は通学路だ。建築基準法の要件は知らないが、見るからに崩れ落ちそうではある

▼阪神大震災でも壁の倒壊は被害を拡大させた。大川小津波訴訟控訴審は市教委、学校の組織的対応の不備を認定した。急ぎ教訓にしなければなるまい。