2018年5月15日(火)

▼ゴールデンウイークが終わると不登校や中途退学者のことが気になるのは昔、娘が不登校になって転校先探しに奔走したからかもしれない。夏休みに続いて不登校生が多くなるのがGW明けだとは当時聞かされたことだが、転校手続きは4月末まで。来年頑張ってくださいと言われた無機質な言葉は今も耳に残る

▼不登校生向けとか、単位制など先駆的試みで評判になった昼間定時制高校も事情は変わらなかった。万年定員割れが解消されて、むしろ鼻息は荒かった。不登校生にやさしいという看板に首をかしげたものだ

▼不登校の児童生徒や高校中途退学者の数は、小中学校で増加、高校では減少傾向にある。原因は「家庭に関わる状況」がトップで、小中学校で続くのは「いじめ」、高校は「学業の不振」となるが、高校は「いじめ」が二人なのに対し「いじめを除く友人関係をめぐる問題」が134人。学業不振に拮抗する

▼不登校対策は、当時からあまり変わっていないようだ。再登校に成功した事例はまとめているが、不登校そのものをなくす試みには触れていない。長期休暇後になぜ不登校が増えるのか。それを防ぐ対策にあまり関心がないようだ

▼娘の場合、「教職員との関係を巡る問題」で、不登校、中途退学へと続いた友人も多かったが、28年度調査では九人。休み前は、もうすぐGWになると懸命に耐えていたのが、GWが終わって気持ちが切れた

▼GWや夏休みなど、長期休みの前後でつながっている学校生活が事実上分断される。どうつなげていくかであり、どう転校しやすくするかでもある。