2018年5月12日(土)

▼市職員の不祥事が記者会見などで市民に陳謝するのは職員の服務規律を所管する人事課長や総務部幹部だが、この3月までその人事課長や総務部次長を歴任してきた伊賀市の財務部次長が過去3年間、無免許で公用車を運転していたというのだから、開いた口がふさがらない。原付限定の免許証に「中型」と書いた紙を貼りつける偽造の疑いに「遊び心だった」

▼岡本栄市長が「職員が社会規範を守れず、市民に恥ずかしい思いをさせて遺憾に思う」。市民は信頼を裏切られて怒り心頭に発し、恥ずかしい思いをしたのは同僚の市職員ではないかと思うのだが、市民650人余の個人情報を入居する市営住宅の住民自治協議会長に渡したり、横断歩道を歩いていた市民を車ではねて死なせたり

▼議会百条委員会の委員作成資料が業者に渡っていたり。職員の倫理、規律違反がこのところ相次ぎ、岡本市長自身、議会承認を後回しにして庁舎改修随意契約を結んだりもした。恥の念など持っては職員など務まるはずもないという信念でもあるのかもしれない

▼「遺憾」が政治家にとって都合のいい言葉になっているという指摘はよく知られている。残念であるという意味にしか過ぎないのに、謝罪を表す言葉のように使われるというのである。対象者・行為を非難する気持ちを含んでいる半面、自分には何の責任もないことだがと、軸足を上手に対岸に移して火事を眺めているフシもある

▼岡本市長がどうかは知らないが、服務規律の主体的職員のモラルハザードは、百条委設置など、市全体を覆う暗雲と無縁ではない気がする。