2018年4月15日(日)

▼情報公開請求で誤って個人情報を開示したと県が発表した。職員が頭を下げる〝儀式〟がないのは見てくれだけの謝罪は打ち切りにしようと宗旨替えしたか。開示してしまったのは社会福祉法人の理事ら7人分だけ。大いに反省をアピールするのはもっと被害が多い時まで取っておこうということか

▼情報公開を巡り国も大混乱だが、国に比べて県は、よく言えばバカがつくほど正直、悪く言えばずさん、無責任な気がする。国の騒動で明らかになったのは、文書の保存期間を内規で短縮するなど、実質公開しないあの手この手だが、県の不祥事は公開した文書そのものから問題が発覚する

▼県を揺るがしたカラ出張も、阪神大震災で交通網が遮断された日に監査委員事務局が九州に出張したと開示文書でなっていたのが発端。文書は臨時職員が日付と金額を適当に振り分けて公印を押していた

▼東海3県最大の裏金の額に「愛知県はうちの3倍は(官官接待の)座敷を設けていたのに」と言ったのは裏金づくり最大の拠点だった東京事務所関係者の恨み節。情報公開制度の精度の違いが一因だが、「この制度はわれわれの首を絞めかねないからよほど気を付けて書類を整備するように言ったのに」は幹部の繰り言である

▼鳥羽港湾工事の組織ぐるみの公文書改ざんも、情報公開度全国一に輝いたあと。「知能犯」的な国の態度の片りんはない。「作業を一人だけで担当していた。今後は複数。チェックも徹底する」というおなじみの再発防止策の芸のなさだが、国とは別の意味で、情報公開制度への認識の低さかもしれない。