2018年4月2日(月)

▼経済記事は分かりにくいと言われるが、政治家の発言を理解するのも難しい。竹下登元首相は「言語明瞭、意味不明」と言われた。けむに巻いているのか、いろいろ思いが重なり、意味が取りにくくなるか。鈴木英敬知事の「議会でしっかり詰めて調整するというリーダーシップを発揮してほしい」も、けむに巻いているつもりはあるまい

▼女性初めてという議会事務局長人事である。「知事が重きを置いていない」との下馬評はともかく、「しっかり詰めて調整」「調整するというリーダーシップ」とはどういうことか、ややしっくりこないのだ。県議定数を巡り混乱した議会への収拾へ、かなわぬ思いが入り込んだのかもしれない

▼議会事務局長は重量級ながら、かつては定年残り1年組の昇格ポストでもあった。「県政のエースになるような人材を回せ」という議会の強い要求で部長級の横滑りポストとなったが、残り年数は2、3年と微妙。知事部局に戻って部長を務めたという記憶がない

▼管理職に占める女性比率は本年度10・1%で、目標を2年早く達成したというが、部次長級への昇格は技術職の一人ぐらいか。課長級以上の異動のうち女性は8%程度で、昇格は数えるほど。その下を強化しているのかもしれないが、人心一新効果という人事のもう一つのねらいが達成できたとは言い難い

▼県の女性登用の目玉は廣田恵子教育長を例外として、ほとんど外局での起用。議会事務局長もその一環に違いないが、知事部局へ戻っての活躍も見据えた人事とすれば、底辺の強化と人心一新を兼ね備えた名人事である。