2018年1月5日(金)

▼去年今年貫く棒のごときもの―虚子。逝く人来る人もまたそうに違いない。衣斐賢譲元鈴鹿市長の大晦日の死に続き、その人脈に連なる地区自治会連合会会長の訃報が報じられた

▼日教組大会の会場候補地に市施設の名が挙がったのを機に連日市役所前でマイクで教育長批判をしたというのは前市政での逸話。衣斐市政では存在感を増していたと言われたが、市議会傍聴席で声をかけられたことがある。とりとめもない話の最後に言ったものだ。「2人が話しているのを(市長席で)衣斐はどう見てるかな」

▼衣斐氏との係争で悩まされたのは市職員が総動員で裁判資料を作成すること、業界団体幹部らが、取材で話してくれたことと正反対の内容の陳述書を衣斐氏側から出してくることだが、法廷外では、民族系団体の街宣車に連日会社周囲を回られたことだ。夜間に乗り込まれもした

▼これを衣斐氏の差し金という人は多かったが、市役所もまた別の団体が回っていたから、思いもせぬ理由があったのだろう。衣斐氏が宴席で民族系団体トップと同席し問題になったことがあり、やはり同席した議長が引責辞任した。衣斐氏は労組出身の市議に呼ばれて幻の銘酒1本贈っただけで、団体トップがいることを知らずすぐ席を立ったなど議会で釈明した

▼団体トップはのち本社も訪れ、とりとめもない話をしていった。三権の裏表だけでなく、労組OBと民族系団体のつながりの謎も残したまま。ゆく河の流れはもとの水ではなく、淀みに浮かぶうたかたは久しくとどまりたるためしなし―とはいえ、淀みも絶えるためしなし。