2017年10月29日(日)

▼三重県外からの移住者を巡る県議会予算決算常任委員会のやりとりは県の体質をよく表していると思った。昨年度の実績値が205人なのに、本年度目標値が160人。「おかしい」という三谷哲央委員の指摘に対する県地域支援課の答弁である

▼三谷委員が「なぜか」ではなく「おかしい」と言ったことに他意はあるまい。目標値が実績値を下回るなどは、民間ではあり得ないことで、文句なく「おかしい」。理由があるなどは考えもしまい

▼しかし、県である。「みえ県民力ビジョン」で再来年度目標値が160人と設定してあるから、来年度は当然160人。「おかしい」という県議が指摘したのでなければ「来年度は205人を超える勢いで頑張らせていただく」とはとても言えなかったのではないか

▼「地域支援課」とか「移住施策」に特異な現象ではない。長期計画の年度ごとの「現状と課題」や「あるべき姿」がそっくり繰り返されていくパターンはそう珍しくない

▼「反省は後ろ向き。新方針を策定して改善していくのが生産的」とかつて県幹部が言っていたが、気持ちは引き継がれているのだろう。台風前の緊急部長会議での備えについて総括したなどは聞いたことがない。台風22号に生かされているかどうか

▼県立紀南高浸水被害ついて、鈴木英敬知事が「紀伊半島大水害(平成23年)の時も浸水している。再発防止を」。たまりかねということか。おや、また県教委か―。歴代危機管理統括監も全員顔をそろえ、さぞバツが悪かったのではないかと同情したが、そう言ったらキョトンとするかもしれぬ。