2017年10月4日(水)

▼県立病院の事業会計決算が県議会で報告された。経常損益が3年連続の黒字で、原因は一志病院の医業収益増だというから、めでたし、めでたし。一志病院の運営主体を巡って県と津市が押し付け合いをしていることなど、どこの国の話かという気がしてくる

▼一般会計からの繰り入れ3億円以上は別にしてだからおとぎ話みたいなものだろう。県内で幅広く病院を運営している関係者と話していると、厳しい経営環境とともに県立病院の〝殿様商売〟ぶりが話題になる

▼一般会計繰り入れだけでなく、県からの有形無形の支援体制が報道からではよく分からないという。同じ県民の健康を担う立場で、どうして県立病院の経営にだけ巨額の県費が注ぎ込まれていいのかというのが、本来の独立会計であるその運営体の県政への冷ややかな視線だ

▼民間病院では「患者様」という言葉が日常化して苦笑させられるが、県立病院では「お医者様ですね」というのは県立病院関係職員OBの話だ。こころの医療センターに〝天皇〟と称される実力者がいたが、通院者から相性がよくないと相談され担当医変更を打診したことがある。四方八方手を尽くしたが「とてもそんなことは言えない。病院を替わって」と異口同音に言われた

▼そのせいでもあるまいが、今は半年通院が途絶えると担当医を変更する制度が厳格らしい。前の担当医に戻してという患者の希望は、決まりだからというだけで門前払いされる。嫌ならほかの病院へという姿勢は変わらない。精神医療という性格から考えると長期の患者数減少傾向は分かる気がする。