2017年9月21日(木)

▼安倍晋三首相が腹を固めたという衆院解散に大義名分がないとされていることに、鈴木英敬知事はぶら下がり会見で「どういうことを問う解散かはまだ不明で大義の有無は分からない」

▼質問する側は、知事が「北朝鮮情勢に改善の見込みがない中、政治的空白を作らないために判断されたのではないか」と、大義に悩む首相周辺に助け船を出すかのような感想を繰り出すことについ誘導されて聞いてみたのかもしれない。知事が慌てて軌道修正する様子が垣間見える気がする。県民を代表するというより、国の出先機関だった官選知事当時をつい、しのんだ

▼知事会見は通告なしのぶっつけ本番だから、つい本音が出るようでおもしろい。定例会見はテレビ中継もあり、動画と概要がホームページに掲載される。もっぱら概要版を見るので、いつだったか、衆院転出を問う記者に知事が「あなたの社は、前任者から毎回、その質問をするが」と言っているのに驚いた。定点観測は大事だが、毎回の会見概要では見ていなかったからだ。「毎回」は言葉のあやか。知事の話しぶりにいらだちが感じられたから、職員がそんたくして省いたか

▼小選挙区一減については短期間での有権者への周知とともに、前回参院選に言及。「18歳より19歳のほうが(投票率が)低かった。啓発を継続する必要がある」。参院選では財政難を理由に一部啓発予算を削減した。入居希望がなく、家賃は安価で問題になった国家公務員宿舎基準に準じたという幹部職員公舎建設に大枚はたくばかりでなく、民主主義の根幹をなす予算の方もぜひ―。