2017年9月19日(火)

▼北朝鮮の相次ぐミサイル発射で国の安全をどう保つか―に頭がいっぱいと思っていた安倍晋三首相だが、どっこい解散時期を忘れていなかった。というより虎視たんたん、ずっと好機をねらっていたということか

▼加計問題など、首相の説明責任が問われるとされる臨時国会の冒頭解散説。国の危機回避に英知を結集しなければならない大事な時期を選挙で塗りつぶす10月22日投票説。消費税値上げ延期の公約変更を問うた前回選よりさらに希薄になりそうな解散の大義名分。衆院議員が浮き足立つ中で、そんなことを憂う議員はいまい

▼自民、民進両党の県連代表が先にそろって記者会見したのも、解散風を意識してのことだったか。芝博一民進県連代表は止まらぬ離党ドミノの悩みを、三ツ矢憲生自民県連会長は旧3区支部長、嶋田幸司氏の離党届けへの驚きを語った。同氏は政治団体「日本ファーストの会」への参加が伝えられている。自民にとって先送りのできぬタイミングであることを、両代表は語ってもいる

▼松田直久民進県連代表代行が離党ドミノについて、旧民主党を離れ「維新の会」に入党したかつての自身と比べ「前原体制をどうしていくかという中での離党はやり方が違う」。見限ったわけでなく、新風への共感だったということか。嶋田氏の離党こそが「やり方が近い」ということかもしれない

▼旧新進党時代に相次いだ離党に、岡田克也衆院議員は「一度裏切った者は、二度裏切る。ぎりぎりの状況では本質を隠しおおせない」。政治家の本質を国民はまたしばし、見せつけられることになる。