2017年8月27日(日)

▼イラク戦争を取材した全国紙カメラマンが帰国に際して拾った不発弾を記念に持ち帰ろうとしてヨルダンの国際空港手荷物検査所で爆発。職員が死亡した事件があり「爆弾を拾ってはいけないと教育しなければいけないのか」と、当時の共同通信編集局長が慨嘆した

▼具体例としてあげるのは効果的だが、教育のテーマは記者行動基準の徹底だろう。「取材で得た情報は原則として報道目的にのみ使用する」という目的外使用の禁止がそれに当たる。取材先での行動は取材・報道目的以外慎しまなければならないことが職業倫理だからである

▼本紙社会面に、公務員が頭を下げている定番の写真が一枚。記事は、女性のスカート内をスマホで盗撮した県職員逮捕と、漫画を万引した教諭逮捕、知人女性の病歴データを業務外で閲覧した市民病院職員戒告の不祥事三連発。似たような写真だから一枚でいいかと割り付け担当が省いたか、毎回頭を下げても何の効果もなく繰り返すだけだから、意味のない謝罪はもうやめようと、悟りの境地に達したか

▼処分するたびに県教委は「重く受け止める」として「あらゆる機会を捉え法令順守、服務規律の確保について徹底」と再発防止にふれるのがお決まりだが、県はいつの間にか取りやめている

▼処分は教育関係が圧倒的に多く、大半が「スマホで盗撮」だから再発防止はお手上げなのかもしれない。「スカートの中にスマホを入れてはいけませんと教育しなければならないのか」と県、県教委は慨嘆しているか。問題は公務員、教育者としての職業倫理が崩壊していることだろう。