2017年5月11日(木)

▼申し合わせ任期の最後となる県議会正副議長会見で、議会改革を任期の印象にあげる中村進一議長より、議会発行物改良への心残りや、高校生県議会など県民との意見交換を語る日沖正信副議長に職業柄、共感を抱く。議会活動が県民生活に身近な存在としてどうアピールするかは、議会が最優先するべき課題の一つだろう

▼中村議長が「先駆的な取り組みができた」と胸を張る「手話言語条例制定」は、知事が記者会見での導入を発表してからの後追いの印象がぬぐえない。「政務活動費(政活費)の領収書インターネット公開」も、全国で不正が発覚したことに伴う対応で、財政難支援としての政活費二割減などは身を切る対策だったかどうか、議会自身にも異論はある

▼四年ぶりの全国自治体議会改革推進シンポジウムも、テーマは「議会基本条例が開く議会の未来」。十年前に全国初で同条例を制定し、知事との厳しいやりとりの中で二元代表制への地位確立に突き進み、議会改革の実績は当時シンポジウムに参加した他県の県議から「全国の地方議会の議員から評価される有無を言わさない説得力」と報告されたことから見れば、どこかノスタルジックな感じがしなくもない

▼任期中の議員提出条例案が手話関係だけというのも、基本条例制定前後の年二、三本の迫力に比べてさみしい。先駆的議会改革一辺倒ではなく、議会改革がどう県民のために役立てるかの配慮、説明に目標を転じた「議会の未来」をもっと模索していいのではないか

▼どこか県民意識との間に感じるずれを解消する一助になるかもしれない。