伊勢新聞

4人の知見を尾鷲の力に 地域活性化へ、協力隊と企業人着任式 三重

【1日付で着任した(左から)名取さん、澤さん、間宮さん、萩野さん=尾鷲市役所で】

【尾鷲】三重県尾鷲市の地域おこし協力隊と地域活性化企業人(企業人材派遣制度)として、1日付で各2人が着任した。4人は知見や経験を生かしながら、農業や観光など多方面で活動を始める。

隊員には、さいたま市出身の澤正輝さん(41)と滋賀県草津市出身の間宮大貴さん(27)が着任。企業人は、横浜市出身の名取良樹さん(46)と東京都国立市出身の萩野泰史さん(49)を受け入れた。

澤さんは、独自の教育方針に基づく認可外の学校「オルタナティブスクール」設立の基盤形成を担う。学校再建に努めた経験を生かし「持続的な学校経営のエンジンを作りたい」と意気込む。

元新聞記者で、今春に演劇学校を修了した間宮さんは、商店街を核とした地域振興に当たる。演劇はにぎわい創出の一つの手法とした上で「商店街を表現の場とし、活気を生みたい」と話す。

地域プロモーションを手掛ける「合同会社コバダマン」から出向した名取さんは、同市中井町の農産物店「馬越屋」の再生を目指す。「店を拠点に地域のコミュニティーを作りたい」と語る。

東京都内と同市で2拠点生活を送る日本郵政の萩野さんは、市が取り組む省エネ・再エネの実現に携わる。同市の起業人は2度目で「郵便局を活用し、やり残した計画を進めたい」と述べる。

市役所で2日、4人の着任式があり、加藤千速市長は「開放的な地域にするために『尾鷲と言ったらこれ』というものを作ってほしい。市内に住み続けて一大改革を成し遂げて」と激励した。