伊勢新聞

19日に二枚貝漁解禁 鈴鹿漁協、試験引きでアサリ不漁 三重

【解禁日などについて話し合う組合員ら=鈴鹿市白子1丁目の鈴鹿市漁協で】

【鈴鹿】三重県鈴鹿市白子1丁目の同市漁業協同組合(矢田和夫組合長)は16日、今年の二枚貝漁の解禁日を19日と決めた。今年はアサリの個体数が著しく少ないため、トリガイ漁が中心となる見込み。

アサリが減少した原因について、同市白子1丁目の県水産研究所鈴鹿水産研究室主幹研究員の岡田誠課長は「昨年の秋以降、風や潮の影響で貧酸素水塊が三重県側に押し寄せられ、海水中の酸素が減少したことが大きいのではないか。乱獲で減少したわけではない」と分析。「一定の傾向があるわけではなく、継続的な現象とは考えていない」との見方を示した。

組合員らが今年2回目となる同日の試験引きで、生育状況などを確認。管内の一部でアサリを確認したものの、ほぼ採取できなかった。

同漁協では令和2年から、産卵前のアサリを採りすぎないように漁の解禁日を遅らせたり、1日当たりの漁獲量を制限するなどし、一時期は激減したアサリの資源回復に向けた取り組みを進めており、昨年の水揚げ量は県内最多の約180トン。

試験引きの後、組合員の代表ら11人で会合を開き、解禁日を決めた。会合では「解禁するならみんなが仕事になるかどうか」「まずは一人15キロずつで様子を見る」などの意見が出された。

箕田漁港から試験引きに参加した矢田泰一さん(55)=同市下箕田3丁目=は「アサリは昨年と比べて20分の1くらい。トリガイはアサリより多い。今年はどうなるのか分からないが、様子を見ながら規定量を採れるよう漁には出る」と話した。