一見勝之三重県知事は14日の定例記者会見で、大型連休中(4月26日―5月6日)に県内の主要24施設を訪れた観光客が200万677人だったと発表した。1日当たりの観光客数は、前年比で11・4%の減少。コロナ禍前の約7割にとどまった。県は「日並びの悪さ」が減少の要因とみている。
県によると、1日当たりの観光客は16万5679人。大型連休中の観光客が前年比で減少するのは、コロナ禍以降としては初めて。前年までは3年連続で増加していた。
前年と比較可能な21施設のうち、5施設で観光客が増えた。伸び率が最も高かったのは、ごかつら池ふるさと村(多気町)で89・4%増。ミキモト真珠島(鳥羽市)の11・8%増が続いた。
伊勢神宮(伊勢市)を訪れたのは32万8706人で、前年から約1万2千人の減少。1日当たりの来訪者としては12・4%減少しつつ、外国人観光客は20・9%増加した。
県内の観光客数は、依然としてコロナ禍前の状況には回復していない。大型連休中の比較でも、1日当たりの観光客はコロナ禍前に当たる平成30年(23万4268人)の70・7%にとどまっている。
一見知事は会見で、大型連休中の観光客が前年比で減少した理由について「日並びの関係があったと思う。昨年は最初に3連休があったが、今年は飛び石になっていた」などと説明した。
「全国的に国内旅行は減少傾向にある」とも。大型連休中は自宅で過ごす人が増えているとする民間の調査結果を紹介した上で「物価高で外出を控えたのかもしれない」と語った。
また、大阪・関西万博を契機とした来県の呼びかけについては「その足で来てもらうのは、なかなか難しい」としつつ「次の旅行先として三重を考えている人もいるようだ」と語った。