伊勢新聞

彬子さま、萬古焼制作を見学 四日市「ばんこの里会館」 三重

【清水さん(左)の説明に耳を傾けられる彬子さま=四日市市陶栄町のばんこの里会館で】

【四日市】地方事情視察のため、三重県に滞在している三笠宮家の彬子さまは7日、四日市市陶栄町のばんこの里会館を訪問された。館内で同市の伝統的な焼き物、萬古焼の制作実演も見学され、萬古焼の魅力と手仕事の技に触れられた。

伝統工芸士の清水潤さん(52)=同市南いかるが町=が実演し、急須の制作工程を披露した。電動のろくろで成形し、急須の胴体、注ぎ口、持ち手、ふたを作った。彬子さまは熱心に質問され、胴体とふたをぴったり合わせる作業について清水さんから説明を受けると、「職人技ですね」と感心されていた。

実演を終えた清水さんは「焼き物全般にかけてお詳しい方なのだなと。萬古焼の急須を国内だけでなく海外の人にも発信していただけたら、作り手としてもやりがいがある」と話した。

また、彬子さまに同施設の概要や萬古焼の説明をした萬古陶磁器振興協同組合連合会の佐治卓弥副理事長(60)は「土鍋が中心の萬古焼だが、電子レンジに対応した新しい商品にも興味を持っていただけた。聡明で物事をよくご存じの方だという印象を受けた」と話していた。