発がん性が指摘されるPFAS(有機フッ素化合物)の濃度が三重県四日市市で国の暫定目標値を超えたとして、市民団体「四日市公災害市民ネット」は26日、汚染源の特定などを求める要望書を県に提出した。
要望書などによると、同団体は令和5年9月から昨年8月にかけ、河川の水や水道など、市内67カ所の水質を独自調査。京都大の原田浩二准教授(環境衛生学)が分析で協力した。
このうち矢合川の上流(同市桜町)では、国の暫定目標値(1リットル当たり50ナノグラム)の60倍を超えるPFASの代表物質PFOAを検出。付近には産業廃棄物処分場の跡地があるという。
要望書は「汚染源は産廃処分場跡地付近の可能性が極めて高い」とし、調査によって汚染源を特定するよう要請。希望する周辺住民を対象とした定期的な血中濃度検査なども求めた。
この日、団体の松岡武夫代表世話人らが県庁を訪れ、環境共生局の担当者に要望書を提出。一見勝之知事の見解を示すよう求めた。担当者は「要望書の内容を確認して回答する」と返答した。
松岡氏は提出後の記者会見で「PFASは体に蓄積される。手遅れにならないよう対応すべき」と指摘。「深刻な公害を経験した四日市だからこそ、過ちを繰り返してはならない」と述べた。