伊勢新聞

280億円「志摩前進予算」発表 過去最大規模、防災や少子化対策など重点 三重

【令和7年度当初予算案を発表する橋爪市長=志摩市役所で】

【志摩】三重県の志摩市は20日、令和7年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比4・2%増の280億7335万円で、新市合併以降では過去最大の予算規模。26日開会の市議会定例会に提出する。

橋爪政吉市長は「未来を拓き、照らす 志摩前進予算」と名付け、「志摩市の未来を担う市民一人一人が将来の夢や目標、希望に向けて道を切り開いて進んでいける、また、志摩の豊かな自然を象徴する太陽や夜の海を見守る灯台のように、市民の未来を明るく照らす志摩市をつくっていくための予算」と説明した。

市民の生命と財産を守る強靱(きょうじん)な防災・減災対策の推進▽少子化対策・こども政策の抜本強化▽幸せを実感できる心豊かな市民生活の推進▽元気で持続可能な観光地域づくり▽自慢できる新しい志摩市の実現―の五つを重点分野として予算編成した。

歳入は、市税が前年度比0・1%減の56億9810万円。地方交付税は1・0%増の83億8千万円。市債発行は22・2%減の16億1040万円で、7年度末の市債残高は186億3246万円となる見込み。

歳出は人件費が6・1%増の67億7020万円、扶助費は6・1%増の38億4665万円。投資的経費は21・7%減の14億8386万円とした。

主な事業では、大規模災害時における孤立地域への対策として、水質センサーとAI(人工知能)による水処理最適化機能などを備えた循環型シャワー2基の導入事業に1250万円を計上し、避難所の衛生環境の充実を図る。大規模災害時の通信アクセス集中や通信途絶に対応するため、衛星を使用したインターネット回線の整備事業に213万円を盛り込んだ。

11月9日に志摩市などで開催される「全国豊かな海づくり大会」の成功に向け、機運醸成やおもてなしの取り組み、市の魅力発信を行う推進事業に5397万円を計上。食と観光を組み合わせた新たなプロモーションを実施するトップセールスなどを行うインバウンド誘客促進事業に2674万円を盛った。

主な新規事業は、小中学校空調機器設置事業5205万円▽あおさのり養殖食害対策事業100万円▽地域スポーツ推進事業1872万円▽コミュニティーバス運行事業2344万円。