いつもポジティブに − 小原芳美さん


「いつも前向きでポジティブに」と話す小原さん=四日市市笹川の小原芳美バレエスタジオで

 「人間がつくり出す1番美しい姿だと思うの」とバレエの魅力について語る。
 材木業を営む両親のもと、新潟県長岡市で生まれ育った。「とにかく子どものころから、踊ることが好きだったのよね」と当時を振り返る。
 初めてバレエを目にしたのは5、6歳のころ。「世の中にこんな美しいものがあるのか」と感動し、バレリーナになろうと決めた。その後もバレエへの憧れは冷めることなく、本格的に習い始める小学5年生までは、ストレッチなどをしながら、1人で練習に励んだという。
 高校卒業時に家業が倒産。家族で三重へ引っ越してきたが、働きながら名古屋のバレエ教室に通い、夢を諦めることはなかった。結婚、出産後も練習は続けたが、第2子出産後、近所の集会所を借りて、長女の友達を無料で指導するうちに、いつしか教えることの楽しさを見いだした。
 恩師から指導資格をもらったことがきっかけで、32歳で正式に教室を発足。現在は7教室で3歳から40代まで、計約150人の生徒が学ぶ。中にはプロの道へ進んだ卒業生もいる。
 今年、これまでの実績が評価され、四日市市民文化奨励賞を受賞した。「認めてもらえてことがうれしい」と満面の笑顔を見せる。
 これまでに、時には周囲の反対もあったが、それでも諦めなかったのは「何としてもやり遂げたい」という情熱があったから。「私には無理と思うか、絶対にやりたいと思うか。そこが大事」と力強く話す。
 「いつも前向きで、ポジティブに」。その言葉が、とてもよく似合っていた。

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