【熊野】日本の棚田百選の一つ、三重県熊野市紀和町丸山の丸山千枚田で17日、棚田のオーナーらが苗を植え付ける「田植えの集い」があった。全国から約830人が参加し、景観を楽しみながら手植えに精を出した。
山あいにある丸山千枚田は、1340枚の田んぼが連なっている。年々増える耕作放棄地を解消しようと平成8年、1口当たり約1アールを割り当てる「オーナー制度」を導入。本年度は県内外の207組が登録している。
この日は、雨が降りしきる中、かっぱなどを着たオーナー339人や招待者らが参加。長靴や素足で水田に入り、大粒で病気に強いという県育成品種「なついろ」を4本ずつ束ね、等間隔で丁寧に植えていった。
初めてオーナー登録した愛知県清須市の堀尾清兵衛さん(41)は「昔水田を持っており、子どもにも同じ体験をさせたかった」、小学6年の慶佑さん(11)は「泥に足が取られて植えづらい。手作業は難しい」と話した。
丸山千枚田保存会によると、オーナーの区画は全体の約4割で、登録者は増加傾向にある。喜田俊生会長(76)は「米不足の影響もあるが、オーナーの口コミで輪が広がる。限界集落の活性化につながれば」と話した。