伊勢新聞

応急手当の普及啓発活動 さくら幼稚園で鈴鹿医療科学大生

【学生の指導を受けながらエピペンの使い方を学ぶ参加者ら=鈴鹿市鈴鹿ハイツのさくら幼稚園で】

【鈴鹿】三重県鈴鹿市の鈴鹿医療科学大学の学生サークル「P―BET」(顧問・神藏貴久教授)は14日、同市鈴鹿ハイツのさくら幼稚園(後藤明子園長)で応急手当の普及に向けた講習会を実施。同園教諭21人を対象に、園児のアナフィラキシーに備えた対応や異物をのどに詰まらせた場合の対処法などを指導した。

同サークルは救急救命学科の2年生6人が所属し、昨年5月に発足した。

地域貢献活動の一環として、これまでは啓発チラシの配布などをしてきたが、現場での啓発活動は今回が初めて。取り組みは令和七年度岡三加藤文化振興財団の助成を受けており、神藏教授が成果をまとめる。

この日の講習会は2回に分けて実施。学生たちはアナフィラキシーの補助治療薬「エピペン」を使用するべき症状や使用するタイミングなどを説明したほか、けいれんややけどなどの対処法についても話した。

実技では参加者らが2人1組となり、練習用機材を使って太ももの前外側にエピペンを注射する練習や、胃部を圧迫してのどに詰まった異物を取り除く練習をした。

受講者の一人、長井菜々子さん(27)は「エピペンの使い方などを学ぶ機会はなかなかない。実際にやってみることで、いざという時に冷静な対応ができると思う。勉強になった」と話した。

篠原已穏副部長(20)は「今後も保育園や幼稚園のほか、学童施設など子どもがいる施設で、先生たちを対象に、実践を交えた啓発活動をしていきたいと考えている」と話した。