伊勢新聞

首都圏で尾鷲甘夏を販売 尾鷲の平山農園、市内初の有機JAS認証 三重

【学校給食用(左)と販売用(右)のカット甘夏をPRする平山さん(左)と黒野さん】

【尾鷲】三重県尾鷲市南浦の平山農園が手掛ける市内初の有機JAS(日本農林規格)認証甘夏が5月末まで、認証付きカット甘夏として首都圏で販売されている。平山厚代表は「30年続けている自然栽培の甘夏を好んで食べてほしい」と話す。

市によると、同認証を受けた有機農産物は、有機JAS認定工場で加工することで初めて認証付き加工物として販売できる。農園側が首都圏などに新たな販路を求めていた中、市の紹介で認定工場を所有するフルーツライフ(名古屋市)との取引が決まったという。

商品は、今年収穫された200玉(約80キロ)を同社が一口サイズに加工し、カップ包装。東京都を中心に24店舗を展開するスーパー「ビオセボン」の一部店舗で販売している。内容量60グラムで税込み430円。

同市宮ノ上町の宮之上小学校で14日、記者会見が開かれ、同社の黒野彩佳さんは「全国展開の可能性が広がった。無農薬は消費者にとって安心材料になる」と強調。今回は試験販売とし、来年以降も季節の味覚として継続販売したい考え。

【学校給食の甘夏を堪能する児童=尾鷲市宮ノ上町の宮之上小学校で】

この日は、市内7小中学校の給食で、カット甘夏が初導入された。6分の1玉が計931食提供され、児童らはかぶりついたり、果汁を吸ったりして地元の果実を堪能。「酸っぱさの中に甘みもあった」「世界一うまい」などと話した。