伊勢新聞

エチオピアの人々描く 小児科医・松林さん、津で墨画展 三重

【作品を紹介する松林さん=津市大谷町の県立美術館県民ギャラリーで】

【津】町立南伊勢病院小児科医の松林信幸さん(76)=三重県南伊勢町五ケ所浦=の墨画展が2日、津市大谷町の県立美術館県民ギャラリーで始まった。JICA(国際協力機構)の医療専門家として出向いたエチオピア・アムハラ州の人々を描いた作品38点を展示している。6日まで。入場無料。9―20日は南伊勢町町民文化会館で展示する。

松林さんはこれまで3回、アフリカに赴任した。うち平成22年から約2年赴任していたエチオピアでは、多くの人物や暮らしを描いた。

今展は当時の連作に続き、コロナ禍で描いた墨画を絵巻のように展示。炭を運ぶロバ使いやパピルスの長い茎を担ぐ男性、隣村から帰るきょうだい、羊追いの少年など、群集を力強く描いている。

松林さんによると、エチオピアはホモサピエンスが誕生したとされる場所で、日本人と共通の祖先を持つという。「日本の社会に対し『こういう姿もあるんだよ』と伝えたい」と話していた。