【伊勢】三重県の伊勢志摩地域の総合診療医を目指す若手医師の確保につなげるため、伊勢市は4月1日から市立伊勢総合病院内に「総合診療教育研究センター」を設置する。専門研修の拠点として、医学生や総合診療専門医の育成と教育、研究環境の充実を図る。
総合診療医は、特定の疾患や臓器に限らずさまざまな病気を幅広く診察し、必要に応じて専門医につなぐ。患者の心理的、社会的な問題にも対応する。高齢者や複数の疾患を抱える患者が増えていることから、広い守備範囲を持つ総合診療医のニーズが高まっている。
伊勢総合病院では、2019年から医学生や研修医への総合診療の教育を開始し、申込者も年々増加している。
同病院で医学生らを指導する内科・総合診療科副部長の谷崎隆太郎医師は、「患者や家族、患者の暮らしている地域までまるごと診るのが総合診療医」と説明する。センター設立により教育環境が整備されれば、安定した医師の確保が期待されるという。
鈴木健一市長は「地域医療を向上させていくために、病院とも相談しながら効果的な支援を考えていきたい」と話した。