三重県鳥羽市池上町の鳥羽商船高等専門学校(古山雄一校長)は15日、新たな練習船4代目「鳥羽丸」の竣工式典を開いた。国会議員や首長など関係者約170人が出席し完成を祝った。
4代目鳥羽丸は同校にとって31年ぶりの新造船となる。3代目の老朽化などで建造された。全長約56メートル、総トン数約397トン。
危険時に自動停船する機能などを持つ「自律航行システム」を搭載。ほかにも学校と船舶をリアルタイムで結ぶ通信装置が新たに備えられたことで、外航船社で実施される遠隔での各船の情報収集や後方支援を、同校でも実務に近い同じような形で実習できるようになった。また女子学生専用エリアを設けた。
災害時には給水・給電や支援物資の輸送、船舶型携帯電話基地局などの機能を持たせるなど、支援船としても運用していく。
式典で古山校長は4代目鳥羽丸について「船と学校を結ぶ船陸通信装置を備え、ダイバーシティに配慮した設備、災害支援のための設備など、最新技術の粋を集めた装備を有している」とし「支援いただいた皆様からの期待に応えるため、今まで以上に優れた海洋人材の育成、災害対応、地域貢献にまい進する」とあいさつした。
関係者らは、桟橋に移動しテープカットをした後、鳥羽丸の船内を見学した。