伊勢新聞

災害時にヘリポート活用 伊勢「千の杜」に新設、市と協定 三重

【協定を結んだ鈴木市長(右)と渡邉社長=伊勢市佐八町の伊勢かぐらばリゾート千の杜で】

【伊勢】三重県の伊勢市と同市佐八町の宿泊施設「伊勢かぐらばリゾート千の杜」を運営する海栄館(愛知県南知多町)は4日、同施設に新設されたヘリポートを、災害時の救援活動に利用するための協定を結んだ。市が民間の常設ヘリポートと災害時利用の協定を結ぶのは初めて。

ヘリポートは、広さ約700平方メートル。施設敷地内の雑木林の一部を整備して新設し、4日に稼働を開始した。協定により、災害時に救援活動が必要となった際、施設のヘリポートを、ドクターヘリや物資輸送ヘリが無償で使うことができる。

海栄館は、三重と愛知県内で10軒の宿泊施設を運営。ヘリコプターを移動手段とする外国人富裕層などインバウンドの誘客に向け、また、災害時の空路輸送の拠点として役立てるため、グループ初となるヘリポートを設けた。

調印式で、鈴木健一市長と同社の渡邉玲緒社長が協定書を交わした。鈴木市長は「能登半島地震でも物流が大きな課題となった。一つでも多くの物流拠点ができることはメリット」と話した。

市と同社は平成29年、災害時に施設を福祉避難所として提供する協定も結んでいる。渡邉社長は「地域と共生し、地域に貢献できるような取り組みを今後も進めたい」と話していた。