-快適な住み心地追及 子ども時代の憧れを職に- 「LAPIAS DESIGN」社長 坂大輔さん

【「『ラピアス・デザイン』を家造りのブランドとして広く定着させたい」と話す坂さん=津市安濃町で】

 総合建設会社など数社で10年余り経験を積み、平成30年に独立して津市安濃町で「ラピアス・デザイン」を創業した。県内を中心に、住宅や店舗の設計・施工を手掛けている。

 津市阿漕町で印刷業を営む両親の下、2人兄弟の長男として生まれた。幼少時から城に興味を持ち、かわいがってくれた祖父と一緒に姫路城や大阪城、彦根城など各地の城巡りをした。自身が撮影した城の写真を見ながら絵を描くのも得意で、小学生になってからは絵画コンクールや写生大会で入賞する度に祖父が大喜びしてくれた。

 幼い頃は小児ぜんそくに加え、アトピー性湿疹もあった。小2の時、住環境を変えて症状改善を図ろうと両親が同市美里町に建てたログハウスに家族で移り住んだ。大工職人らが丸太を組んでいく様子を飽きずに眺めていたという。「幼稚園時代は絵描きに、小学生では大工職人に憧れていました。今、その両方が仕事になっています」と振り返る。

 美里中から、鈴鹿市の鈴鹿高校に進んだ。卒業後は、建築に関わる仕事に就きたいと名古屋市の東海工業専門学校建築工学科で2年、あいち建築デザイン専門学校で1年間勉学に励み、木造建築士と2級建築士の資格を取得して大手総合建設会社に就職した。

 病院や工場建設の現場監督、集合住宅や店舗の設計などに携わり、10年間キャリアを積んだ。勤務する会社の社長から独立を後押しされ起業を決意した。独立を知って付いてきてくれた大工職人らと共に、創業に向けて準備を整え、新たな一歩を踏み出した。

 施工主の要望に沿って、外観や間取りなどの内観デザインから素材、省エネ、水回り、使い勝手の良い動線の確保などを提案しながらイメージを形にしていく。1年目に手掛けた新築住宅2棟を紹介したホームページや住宅見学会を通して注文が入るようになった。

 「思い描いていた以上の家ができた」と、住み始めた自宅の見学依頼に喜んで応じ、新築を予定している親戚や知人を紹介してくれる施工主も増えた。「メンテナンスも責任を持ち、お客様と長いお付き合いをしていきたい」と話す。

 義母美代子さん(55)と妻絵里菜さん(28)、長男誠弥さん(6つ)、次男俊弥さん(2つ)の5人家族。「忙しくて、子どもと過ごす時間が少ないのが悩みですが、子育てと家事を手伝ってくれる義母と、3人目の子どもの出産を間近に控え経理事務もこなしてくれる妻に感謝です」と語る。

 「新たにリフォーム事業にも力を注ぎ、将来は不動産部門への進出も視野に入れています。快適な住み心地を追求し続け『ラピアス・デザイン』を家造りのブランドとして広く定着させていきたい」と熱く展望を語った。

略歴: 昭和60年生まれ。平成18年東海工業専門学校建築工学科卒業。同19年あいち建築デザイン専門学校卒業。同年木造建築士、2級建築士資格取得。同年ヨコタハウス入社。同28年津青年会議所入会。同30年「ラピアス・デザイン」株式会社創業。