自社ブランド展開目指す FCで培ったノウハウ活用 外食フランチャイズ加盟店運営「グリーン中部」社長 福村和樹さん

「FCで培ったノウハウを活用して、自社ブランドの飲食店展開を目指していきたい」と話す福村さん=四日市市赤堀で

 四日市市赤堀の「グリーン中部」は、父伊久雄さん(66)が昭和56年に設立した「中部通商」が前身。結婚式場や飲食店向けの食用花や、紅タデ、オオバなど促成野菜の卸・小売を手掛けていた。同62年に社名変更し、青果を中心に取り扱っている。

 平成15年に外食事業部を立ち上げ、翌年に外食産業に参入。同市小杉町に釜飯と串焼きの店「とりでん」1号店を開店した。食べ放題コースが人気の「しゃぶしゃぶ温野菜」と「牛角」を2店舗ずつ開業し、現在は県内に合わせて5店舗を展開している。

 同市中川原で、3人きょうだいの末っ子として生まれ、両親と姉、兄からかわいがられて育った。小学生のころはピアノやスイミングに通い、中学時代は野球に打ち込んだ。商売に興味を持ち、将来は父の仕事を継ぎたいと思うようになり、四日市商業高校を経て大阪商業大学商経学部に進んだ。

 大阪での学生生活が始まり、初めての1人暮らしに少しずつ慣れ、勉学の傍らゴルフ部に入部し、プロゴルファーの技を間近に学べるキャディーのアルバイトを経験。3年生で初出場した「関西学生個人リーグ」で優勝し、「練習は裏切らないことを実感できた」と振り返る。「ゴルフは今も趣味の一つ。仕事仲間と時々コースに出るのが楽しみ」と話す。

 学生時代に経験したアルバイトの中で、FC(フランチャイズ)形式の飲食店に大きな可能性を感じた。外食産業で父の創った会社を発展させようと、卒業後は静岡県のFC加盟店「とりでん」で1年半修業し、郷里に戻って「グリーン中部」に入社。青果事業部に加え外食事業部を創設した。

 オーナー兼店長として、「すべてはお客さまのために、そこで働くスタッフのために」を理念に、妻麻美さんをはじめスタッフ約25人で調理から接客までこなした。6年間で5店舗、スタッフを約170人に増やした。

 妻と長女樹乃さん(14)、長男龍馬君(13)、愛犬のチョコとライトのにぎやかな家族。子どもたちはクラブ活動で忙しく一緒に過ごす機会は少なくなったが、長女の吹奏楽部発表会や長男の野球大会へは妻と応援に出掛ける。「人生と仕事のパートナーとして支え続けてくれる妻に心からの感謝を伝えたい」と話す。

 「生きがいを持って活躍してくれる社員あっての会社。『商いは飽きないこと。好きなことなら精いっぱいやれ』という父の言葉を支えにFCで培ったノウハウを活用して、今後は自社ブランドの飲食店展開を目指していきたい」と目を輝かせた。

略歴:昭和56年生まれ。平成14年、大阪商業大学商経学部卒業。同15年にグリーン中部へ入社し、同27年から社長。同29年に四日市青年会議所理事。