勉強に集中できる環境を 大学受験法までサポート 学習塾・予備校「教育フォーラム株式会社」 代表取締役 細野和美さん

「教育界に求められる学習塾、予備校を目指したい」と話す細野さん=四日市市鵜の森で

 四日市市西日野町の学習塾・予備校「教育フォーラム株式会社」は、同市美里町の自宅と鈴鹿市で昭和57年に始めた学習塾を前身に、平成6年に法人化した。現在は、経験豊かな講師ら9人が西日野町の本社笹川校と近鉄四日市駅前校、同富田駅前校3校で小学生から大学受験生までの教育をサポートしている。

 昨春、県初の取り組みとしてメリノール女子学院中・高校内で放課後塾を開講した。授業で分からなかった箇所を気軽に質問できる場として生徒らに喜ばれている。「これまでの塾の概念を変え、学校と連携した新しい学習塾モデルとして各校に拡大していきたい」と考えている。

 小・中学生には5教科の完全個別指導をしている。読書習慣のない小学生には、全ての土台となる国語力を養う読書を通じて豊かな感性と語彙(ごい)力、読解力を育てる速読教室を取り入れている。高校生(高卒生)は、北勢地域で唯一、衛星放送で受講する代々木ゼミナールの授業か、個別指導を選択できる。

 「目標に向かって頑張ろう」と励ましてきた受験生たちから「苦手だった物理と化学を克服できて第1志望に受かった」「いつ見てもOKな代ゼミ講座でじっくりと学べたおかげ」と、合格を喜ぶ声が届く。

 四日市市美里町で養鶏・養豚農家を営む両親の元、3人きょうだいの長男として生まれた。幼少時は、内気で1人遊びが好きな子どもだった。小学時代は、農繁期になると学校を休んで収穫を手伝い、中学生になると鶏の餌やりが日課になった。中2の時、理科の教師に山登りの楽しさを教わったのをきっかけに登山が趣味になった。

 小山田小、三鈴中(現西陵中)を経て四日市高校に進み、山岳部に入った。片道1時間の通学も足腰を鍛えるトレーニングになり、勉学もクラブ活動も楽しんだ。大学進学に賛成してくれた母の応援で、県外の大学の理工学部で4年間学んだ。その傍ら、アルバイトで貯めた資金で日本各地の山々を制覇した。

 より学問を極めたいと、卒業後は大学の研究室で働くようになった。25歳の時、実家が全焼する火災に見舞われた。家族の無事に一安心だったが、後始末や借金返済のため郷里に戻った。1年後に家族の住む家を建て、その翌年から自宅で塾を始めるようになった。

 26歳の時、小学校教諭だった妻みきさん(59)と結婚。みきさんは、家事と3人の子どもの育児をしながら仕事をこなしてきたが、10年前、母の介護のために退職を決めた。8年前に母を、3年前には父をみとってくれた。今は笹川校の塾長も務めている。「長年支えてくれた妻には、言葉で言い尽くせないほどの感謝の気持ちでいっぱい」と話す。

 勉強に集中できる快適な環境をと、昨年から富田駅前校3階で試験的に有料自習室を始めた。利用する中高生からは、「家族に気兼ねなく勉強ができ、分からないところを1階の教室にいる先生にいつでも質問できる」と大好評で、受験生をもつ保護者にも喜ばれている。「教育界に今、何が求められているかを素早くキャッチして、即対応できる学習塾、予備校を目指したい」と意欲を語った。

略歴:昭和30年生まれ。同52年大学理工学部卒業。平成24年異業種交流会ビジネス・ネットワーク・インターナショナル(BNI)四日市をメンバーと共に設立。同27年全国学習塾協会県協議会副幹事長就任。同年四日市西倫理法人会普及拡大委員長就任。