健康と長生き全力支援 整骨、フィットネス、ヨガの3本柱 岡田やまのホスピタリティースポーツクラブ社長 岡田誠道さん

「『健康で長生き』を全力で支援したい」と語る岡田さん=四日市市安島の「岡田やまのホスピタリティーで

 四日市市安島の接骨院とフィットネスジムの合併施設「岡田やまのホスピタリティースポーツクラブ」は、接骨とフィットネス、ヨガの3本柱で健康寿命を延ばすことを目標に掲げて、今年1月にオープンした。色鮮やかなオレンジ色の3階建てビル内には、市内最大級の施術ルームとベッド数を備えている。

 1階では、スポーツによるけが、腰痛や肩こりの治療、介護認定が下りない高齢者の、日常生活の自立をサポートしている。2階は有・無酸素運動や体幹トレーニング、3階では女性専用のリラクゼーションや呼吸法で体を整えるヨガを、それぞれ専属トレーナーが指導に当たっている。

 愛知県岡崎市で、3人きょうだいの長男として生まれた。家庭の事情で引っ越しを繰り返し、12歳からは松阪市で育った。殿山中とサッカー名門校の四日市中央工業高校時代の6年間は、新聞配達やアルバイトをしながらサッカーに打ち込んだ。「今思えば、サッカー選手になる夢に向かって、心を一つにボールをつないだ仲間との貴重な時間だった」と振り返る。

 卒業後、単身上京して浄水器メーカーに就職。水が体に及ぼす影響について、医師や学者らに健康法を学んだ。鍼灸(しんきゅう)・接骨院を営む院長との出会いをきっかけに、柔道整復専門学校の夜間部に通うようになり、3年後には柔道整復師国家資格を取得、起業の志を胸に三重県に戻った。

 平成16年、四日市市で接骨院「岡田やまの」を開業。院名には、自身の名字に、高校時代、サッカーへの夢を語り合った友の名前「やまの」を併記した。19歳の時、事故で亡くなった親友だった。「いつも彼を忘れず、彼の分まで頑張って生きていこう」と決意した。

 接骨院は、口コミで来院者が増え始め、半年ほどで1日平均120人ほどが訪れるようになった。信頼する友人を雇い入れ、年中無休で深夜まで働く中で、接骨の施術だけでは足りないと感じるようになった。「症状を改善させる治療に加え、けがをしない強い体づくりを支援したいという思いに至った」と話す。

 「医療と運動を組み合わせて、健康寿命を延ばすための施設を造りたい」―。接骨院開業から11年、夢を形にした「岡田やまのホスピタリティースポーツクラブ」を開設した。治療に訪れる人に加え、運動不足解消のために気軽に訪れる主婦層や健康づくりを楽しむ家族らでにぎわっている。

 脊髄損傷で下半身まひになった19歳の女性は、手技と電気治療、3カ月のトレーニングで支えなしで立ち上がれるようになり、半年後にはつえを持って階段も上がれるようになった。医師も驚くほどの回復力に、生きる意欲と笑顔が戻った。

 脊椎間狭窄(きょうさく)症で歩行困難だった80代の女性は、手技とトレーニングを続け、3カ月で階段の上り下りができるようになった。「こんなに歩けるようになって、ありがとな」の喜びの声が、スタッフ13人の何よりの励みになる。

 「子どもからお年寄りまで幅広い年齢層に、適切な治療と運動をアドバイスする自慢のスタッフと共に、『健康で長生き』を全力で支援し、病院にかかる人を減らして、三重県を日本一医療費のかからない県にしたい」と意欲を語った。

略歴:昭和54年愛知県生まれ。平成16年朋友柔道整復専門学校卒業。同年四日市市川島町で接骨院「岡田やまの」開業。同27年同市安島で「岡田やまのホスピタリティースポーツクラブ」創設。