「やればできる」礎に 中学時代、生徒会経験で自信 若林労務経営事務所所長 若林正清さん

「社労士は経営者の身近な相談相手」と話す若林所長=四日市市中町の若林労務経営事務所で

 四日市市中町の若林労務経営事務所は現在、約140社を支援。昭和37年父親の正則さんが設立し、2代目。

 子どもの頃から明るく、みんなをまとめていくタイプ。小学校の児童会では副会長、中学校の生徒会では書記を務め、中学でのテニス部時代は副主将で活躍した。中学時代は生徒会活動で、丸刈りだった頭髪を自由化した。「生徒会発案で校則を変えた。役員たちで遅くまで話し合ったり大変だったけど、きちんと計画して手順を踏んで周囲に説明していけば、難しいことも達成することが可能だと身をもって学び、勉強になった」と話す。「やればできる」と自信が付き、生き方の礎になった。

 父親と同じ早稲田大学商学部に入学し、東京での就職を考えていたが、4年の時に父親の弟の会社が倒産。精神的に弱気になった両親を心配し、卒業後は実家に戻り、父の跡を継いで社会保険労務士になることを決めた。

 父の仕事を手伝いながら、夜間や休日を利用して名古屋の専門学校で学び、3年後に社労士の資格を取得。「一流企業に就職した同級生らがうらやましいと思うこともあった」が、「負けたくないという思いで乗り越えた。頼れるのは自分の力だけ」「自分の選んだ道が間違いだと思ったことはなかった」と振り返る。

 経営コンサルタントの視点も必要と考え、中小企業診断士の資格も取得。事務所を法人化した11年前、所長に就いた。父親からは「経営者の身近な相談相手として親身に支える存在」という姿勢を学んだ。

 また、「経営者だけでなく、従業員からの信頼を得ることも大事。あいさつや雑談など日頃のコミュニケーションで、率直に話し合える関係づくりを大切にしている」と語る。

 息抜きは家族との旅行やミュージカル観劇。古美術品収集も趣味。「時代を超えて、今なおしっかりと魅力を発揮し続けているところにロマンを感じる」と話し、「今は19世紀の英国の書棚に興味を持っている」と楽しげ。

略歴:昭和32年生まれ。四日市市出身。同55年若林労務経営事務所入社、平成16年同事務所所長就任。県社会保険労務士会会長、全国社会保険労務士会連合会常任理事。