「やればできる」心に 経営とマラソンは似ている まるかつ代表取締役 松林勝己さん

「経営とマラソンは似ている」と話す松林代表取締役=鈴鹿市白子本町のまるかつで

 鈴鹿市白子本町のまるかつは、白子港で水揚げした新鮮なジャコやコウナゴ、ノリを中心に扱う海産物問屋。商品は県のアンテナショップ「三重テラス」や量販店にも卸している。

 「走ることが好き」と語る笑顔が印象的。中学、高校と陸上部で鍛え、県大会でトップ記録を出した実力派。「女子に負けたことがきっかけで、悔しくて努力した」と負けず嫌いの一面をのぞかせる。

 45歳から「サロマ湖100キロウルトラマラソン大会」へ出場し、今年で13回目。10回以上の完走者の称号「サロマンブルー」を持つ。

 トレーニングの一環として、松阪や伊勢まで電車で行き、走って帰ってくる。「海辺を走れば波の音や磯の香り、山を走れば鳥の鳴き声。五感で自然を感じるのが一番の魅力」「常に己を越えていかなければならないので、心が折れたら駄目」と語る。

 高校卒業後は、父親が営む水産加工業の仕事を手伝ってきたが、兄が継ぎ、29歳で独立を決意。身近に乾物を販売する店がなかったため、自宅の六畳一間に机一つで行商から始めた。

 話し好きで社交的な性格に助けられ、徐々に顧客が増え、30歳で「まるかつ」を開店した。

 出店後は毎朝4時に起床し、名古屋の市場へ買い付けに行き、配達、新規の顧客開拓を全て自分でこなした。連日、日付が変わるまでがむしゃらに働いた。「冷蔵庫に買った物を移動させる作業はマイナス20度の世界。1時間近い作業は寒くて大変だった」

 売り上げは右肩上がりに伸びた。「やればやるだけ成果が出るので、やりがいがあった」「経営とマラソンは似ている」と話す。「県トップになれた経験から『やればできる』を学んだ。だから『仕事でもできるだろう』と思えた」と振り返る。

 社員にも恵まれた。「自分一人では大きくなれない。周りがあったからこそ」と社員を大切に思う気持ちは変わらない。「いつも初心を忘れず、てんぐにならないよう気を付けている」

 2歳から中学3年生まで、12人の孫を持つおじいちゃん。年に1度家族全員が集まり、写真館で記念撮影をする。「これからも地元に根付いた商売をしていきたい」と話した。

略歴:昭和32年生まれ。鈴鹿市出身。63年まるかつ開業、代表取締役。