烏帽子や菅笠姿で苗植え 伊勢神宮「神田御田植初」 三重

【伊勢神宮の祭典に供える米の苗を植える保存会会員ら=伊勢市楠部町の神宮神田で】

【伊勢】伊勢神宮の祭典に供える米の苗を植える「神田御田植初(しんでんおたうえはじめ)」が10日、三重県伊勢市楠部町の神宮神田で古式ゆかしく行われた。

神事の後、耕作を管理する作長が、田に苗を投げ入れ、白装束の作丁2人が植えた。続いて、地元住民による御田植保存会の男女20人が田に入り、男性は子持帷子(こもちかたびら)に烏帽子、女性は白衣に菅笠姿で一列に並び、笛や太鼓の音色に合わせ、丁寧に苗を植えていった。

【大団扇をあおぎ豊作を願う団扇合わせ=伊勢市楠部町の神宮神田で】

田植えの後、扇を持った男性10人が田の東西に並び、「やー」と声を掛けイナゴを払う動作をした。田の中央では、大黒と恵比寿が描かれた大団扇(ごんばうちわ)を持った2人が、団扇合わせをしながら3回まわり、豊作を願った。

行事は、室町時代には行われていたとされ、県の無形文化財に指定されている。