万博でインドと連携へ 総領事、三重県知事に提案

【一見知事(右)から県産の日本酒を受け取るアッパル総領事=県庁で】

チャンドル・アッパル在大阪・神戸インド総領事(42)が3日、三重県庁を訪れ、大阪・関西万博での連携を一見勝之知事に提案した。万博会場で「インド三重デー」を開く方向で調整する。

アッパル氏は、インドが万博会場に設けるパビリオンでの開催を提案。パビリオン内に約50人を収容できるスペースがあると説明し、県の文化や観光を来場者にアピールするよう促した。

一見知事は「非常に良い提案を頂戴した」と述べ、双方の事務レベルで開催に向けた調整を進める考えを示した。県が関西パビリオンに設けるブースも訪問するよう呼びかけた。

また、一見知事は「インドはますます勢いが出てくる」としつつ、日本の地方では人口減によって「経済力が落ちる可能性もある」と説明。「今後も良い関係を続けてもらいたい」と述べた。

アッパル氏は「労働力不足への対応に手助けができると確信している。人的資源を送り出すようなことも考えたい」と返答。インドへの進出を検討する県内企業を支援する考えも示した。

アッパル氏は平成21年にインドの外務省に入り、オーストラリアなどでの勤務を経て昨年8月から現職。スリランカ赴任時代は、内戦の被害を受けたタミル人の住宅建設などに協力した。

県は平成26年、産業連携の覚書をインドのカルナタカ州と締結。28年にはIT人材の県内受け入れを支援する協定を同州と締結し、これまでに2人の技能実習生を受け入れた。