
【松阪】三重県の松阪市は13日、令和7年度一般会計当初予算案を発表した。前年度比7・5%増の785億7千万円で過去最大規模。
竹上真人市長は「物件費と扶助費が伸び、過去最大規模となった。やらねばならない事業にきちんと投資していく」と述べた。市制20周年記念事業について「一体感を持つ、ものすごくいい機会」と意気込んだ。
歳入は、市税が5・7%増の228億4千万円で過去最高の税収見込み。地方交付税は5・1%増の162億8千万円。市債は10・5%減の30億5千万円。
市債残高の7年度末見込み額は407億円。財政調整基金繰入金は51億円を計上。
歳出は、人件費が2・9%増の129億6千万円。物件費が住民情報システム標準化・校務デジタル化促進事業費の増額で11・8%増の111億6千万円。扶助費が児童手当支給・介護給付費給付事業費の増額で13・0%増の209億5千万円。補助費は松阪市民病院事業会計操出金の増額で3・7%増の131億4千万円。
公共交通支援出資事業費に3億270万円を充て、東海旅客鉄道と近畿日本鉄道ホールディングス、三重交通ホールディングスの株式を1億円ずつ購入する。株主として交通事業者の交通施策への関心を公に示す。竹上市長は「事業者に対する支援になる。路線維持でお話することができる。投資目的ではない」と説明している。
「生活支援!最大15%ポイント還元キャンペーン事業」(2億4100万円)は地域経済の活性化を目指す。9月1―30日にポイント付与上限8千円相当のキャッシュレスキャンペーンを実施する。
「空き家の終活お助けプロジェクト業務委託」(250万円)は県行政書士会に委託。空き家の所有者に対し、処分するまでの費用や売買価格、行政手続きの計画書を提示し、空き家処分を後押しする。
土砂災害警戒区域にある「みなみこども園」を南小学校内へ移転開設する事業費に1351万円を充てた。
中小企業奨学金返還支援補助金(224万円)は市内中小企業を対象に、従業員の奨学金返還を補助する。
昔の風情を生かした中心市街地の空家・空店舗改修補助金(1423万円)は、中心市街地の空き家・空き店舗を改修して営業する際に改装費を補助する。
地震を感知して電気を遮断し、通電火災を防ぐ感震ブレーカー120個の購入費に87万円を計上。出前講座や防災講話で使い周知と普及を図る。
犬猫多頭飼育崩壊防止緊急支援補助金は避妊手術費補助金の100万円。市内に約15件の多頭飼育が認められるが、多くが高齢単独世帯や公的支援を受けている一人世帯となっている。
他の主な事業は次の通り。
紙おむつ専用ごみ指定袋無料配布事業224万円▽福祉まるごと相談室整備事業費2460万円▽民生委員・児童委員サポートセンター設置828万円▽介護サービス事業所等運営支援交付金4151万円▽校務デジタル促進事業費1億1952万円▽がん患者支援助成金305万円▽医療機関等の物価高騰対策支援事業補助金2532万円▽ええやん!行こに松阪5775万円▽カーボンニュートラル推進事業2億160万円▽森林環境譲与税活用事業2億2306万円▽地籍調査推進事業費270万円▽交通事故防止安全対策事業費1600万円▽差し押さえた不動産のインターネット公売148万円▽DX推進事業費790万円▽コミュニティファンド推進事業費95万円▽中心市街地整備事業費3473万円▽市制20周年記念事業9675万円。