2025年2月13日(木)

▼世界の汚職を監視する非政府組織(NGO)の昨年度「汚職指数」によると、日本の「清潔度」は180カ国・地域中20位で、前年の16位から後退した。自民党派閥パーティー収入不記載事件が「公的機関に対する信頼を低下させた」らしい

▼近隣ではロシアが154位で北朝鮮が170位、中国が70位。独裁色が強いほど口利きが横行していると感じたが、実際はどうか。汚職撲滅を旗印に政敵を一掃して権力を握ったとされる中国が清潔度でそれほど上位になっていないのは、取って代わったというだけに過ぎないのかもしれない

▼日本も、安倍晋三元首相が健在ならば、検察は報復を恐れてパーティー収入不記載事件に踏み込めなかったという観測があることだ。パーティー収入不記載事件に勝るとも劣らぬ不透明感をもたらした森友問題でも、国有地売却を巡る改ざんされた決裁文書を、大阪高裁はその存否も明らかにせず不開示とした財務省の決定を取り消した。安倍元首相もし健在なりせばと思わせる成り行きである

▼権力の集中がいかに不透明な社会を招くかの教訓でもあろう。県では、カラ出張問題をきっかけに“黒船到来”とされた当時の北川正恭知事が一気に権力を掌握した。「北川改革」が全国的に注目されたが、退陣後は“負の遺産”とされるものも多かった

▼津市などはこのところ贈収賄事件が連続し、いずれもが民間を巻き込んだ職員主導のであり、特定自治会長問題から尾を引く官民癒着が指摘される。“適度な不祥事”といえるのかもしれない。